若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

階段がつらい

きのうは料理教室、今日はクロッキー教室と、おけいこ事で忙しい。

昔は、おけいこ事で忙しいというと、嫁入り前の娘の話だったが、今は退職後のおやじだ。

教室に行くと、中高年女性たちが、と言っても「中」は少ないが、きのうのオリンピック開会式の話で盛り上がっていた。
私も、東京オリンピック以来初めて開会式を見たが、ハデですなあ。
いつからあんなにハデになったんでしょうか。
まあ、ああいうのもこれで終わりでしょう。
あれ以上のことはできませんよ。

強大な国家の力で、大動員をかけて、最新テクノロジーを駆使した国威発揚イベントという点で、戦争と似たようなもんですが、もちろん、こっちのほうがよろしい。

国威発揚、大成功だったと思います。
中国の国民全員とは言わないが、何億人かが大満足したでしょう。
何億人の大満足って、人類史上ちょっとないですよ。
ギネスブックものです。

さて、クロッキーであるが、なかなかうまくいかない。
日ごろ描かないとダメですね。
教室は二時間授業で、最後の三十分くらいでやっと腕が慣れてくる。
一週間で、その感覚を忘れる。
ギターといっしょで、練習は毎日が基本ですな。

帰り、70代半ばと思える女性といっしょになる。
小柄で、大きなリュックを背負っている。
何が入っているのか。

この教室ではそれほど古くないらしい。
家で、油絵を描いている。

話しながら地下鉄の駅に向かう。
下りの階段が近づいた。

高齢者は、階段が苦手ですよ。
平地は苦にならない人でも、階段がつらいという人は多い。

大きなリュックを背負って歩く女性を見おろしながら、思いましたね。

御心配なく、私はウワサの「気配り鹿之助」でございます。
年をとると階段がつらいくらいのことは心得ております。

どうぞ、ご自分のペースで、ゆっくりとお降り下さいませ、と、階段の三メートル前からスピードダウン、気配りモードに入った私の逆をつき、彼女は、「階段モード」にギヤチェンジしたのか、タッタカタッタカター!と飛ぶように階段を降りていくではないか!

完全に逆をつかれ、カックンとなってしまって一段目を踏み外し、危うく転げ落ちるところを、手すりにしがみついて息を切らせる私を見上げて、「だいじょうぶ?」と優しく声をかける彼女に、「だ、大丈夫です」とやっとの思いで返事をしたのであった。