きのうは、コロー展を見に行った。
「青い服の女」を見たかった。
模写しようと思っているのであるが、画集などで見ると、服の色がまちまちなのだ。
あざやかな青の画集があるかと思えば、紫がかってたり、灰色みたいだったり。
現物は、すばらしい青だった。
なんとも言えん青でした。
傑作中の傑作ですよ。
「真珠の女」が有名ですが、私は「青い服の女」。
コローの人物画の中では、この二点が飛びぬけてると思いました。
コローは、「真珠の女」を終生手放さず、筆を入れ続けたそうだ。
奥さんが、「あなたは、『真珠の女』と心中するつもりネ」と言ったら、コローは、ころころ笑ったそうだ。
会場の「グッズ売り場」では、「真珠の女」にちなんで、真珠を売ってました。
「真珠の女」にちなんで真珠を買おう!なんて人、いてるんでしょうか。
コローの人物画は、親しい人や、お気に入りのモデルを描いたものばかりで、人物画をカネにすることはなかったそうだ。
私といっしょだ。
親しみを感じる。
会場で、「小磯良平美術館」の広告を見たので、行ってみた。
いろんな画家が子供を描いた絵の特別展をしていた。
短歌の世界では、「孫の歌は作るな」といういましめがある。
「ウチの孫、かわいいんです」という、すかみたいな歌ができるからだ。
絵もそうだろうと思っていたが、私にとっては無名の、様々な画風の画家たちの作品を見て、楽しかった。
小磯良平が娘たちを描いた有名な作品や、縁側で将棋をしている坊主頭の男の子、ピアノの練習にあきて、足を投げ出して寝っ転がって楽譜を見ている行儀の悪い女の子、まあ、なんでも絵になるもんだと感心した。
帰りの電車で、中学か高校生くらいの女の子が四人、楽しそうにしゃべっている。
なかよし四人組で、どこかへ遊びに行ったのだろう。
見ていてうれしくなるくらい楽しそうである。
そのうちの一人の顔を見て、おや?と思った。
おお!レオナルド・ダ・ヴィンチの聖母マリアの目に似ている!
「お嬢さん!私は今、レオナルド・ダ・ヴィンチの名作『受胎告知』の聖母マリアを模写してるんですが、あなたの目は聖母マリアの目にそっくりです。モデルになってくれませんか」と言おうかと思ったがやめた。
充実した一日であった。