今日は、人物画教室。
今回は五回で仕上げるという日程で、今日が三回目。
まあ、順調に進んでいると思いながら描いてたら、作品を見て回ってた先生が、私の後ろで立ち止まった。
先生は、「口で言うより手の方が早い」主義だ。
自分としては、先生に直されるほどではないと思えるので、先生を無視して描き続けていたが、一向に立ち去る気配はなく、私の絵を、じ〜〜〜っと見つめている視線を感じた。
なにか言いたいんでしょうなあ。
言わずにおれないんでしょうなあ。
根負けした私は、先生のほうを振り向いて、「どうでしょうか?」と声をかけた。
「う〜ん、モデルさんは、もっとどっしり座ってはりまっしゃろ」
な、なるほど。
「どっしり感」が足りませんな。
「ひざをもうちょっと・・・」といいながら、先生の手は筆をよこせといわんばかりの動きであるが、私は心を鬼にして無視。
先生は、むなしく、未練に手を動かしながら、「ひざがもうちょっと、上でっしゃろなあ」
「このへんですか」と、私は自分で描いた。
「そうやねえ、それと、左の手のひらも、もうちょっと上かなあ」
先生の手は、酒を求めるアル中患者のような動きであるが、無視。
許せ!老師よ。
二時間はあっという間である。
教室が終わってから、阪急百貨店の、榎並和春個展に行く。
インターネットで見つけた絵描きさんだ。
去年、油絵を再開して、簡単にデッサン力をつける方法はないものかと、誰かそんな秘法を公開してる人はないかと、インターネットで探してた。
そのとき、どういうわけか、榎並さんのホームページにたどり着いたのだ。
榎並さんのクロッキーがすばらしいと思った。
知的で叙情的な線だ。
絵は、具象絵画といえると思うが、複雑で深みのある絵肌が魅力になっているようなので、実物を見たいと思っていた。
想像通り、画面で見るよりはるかに面白い作品であった。
会場で榎並さんにあいさつ。
色々話して楽しかった。
もっと若い人かと思っていた。
ホームページのプロフィールで、年齢は知っていた。
私より六つ若い。
私より六つ若いということで、かなり若い人だと思っていたのである。
私より六つ若い人は、若くないのですね。
話が回りくどい。
私は若くないということを六つ若い榎並さんが教えてくれた。
どうしても回りくどくなる。