先日、「愛の鞭」について書いたところである。
散髪に行った。
最近は、いつ行っても客は私一人ということが多い。
今日も一人。
主人と奥さんが、なんやかやとおしゃべりしながら、切ったり剃ったり。
そこへ、ぬーっと男が入ってきた。
ひょろっとした若者で、見事な長金髪である。
見事に長く、見事に金である。
ははーん、孫ですね。
おじいちゃん、おばあちゃんと、ぼそぼそ話して出て行った。
奥さんに、「お孫さん?」と聞いたら、「そう。もう腹たって腹たって・・・」
先日、バイトの面接に行くから、泊めてくれといってやってきたそうだ。
そのとき、見事な長金髪に、奥さんははたまげた。
「そんな頭で面接に行ったって、誰もとってくれへんよ。世の中は、それでは通らんよ。おばあちゃんが、黒に染めたろ。夜中の12時よ」
一生懸命染めてやった。
翌日、面接をすませた孫がまたやってきた。
な、な、なんと、長金髪!
面接がすんですぐ金髪に染めたらしい。
「もう腹たって、腹たって!
あんたのことを思って、夜中の12時に染めてやったおばあちゃんの気持ちがわからんのか!」
靴べらで、思い切りたたきまくってやったそうです。
面接は、ダメだったそうです。
黒く染めるだけでなく、カットも必要でしたね。