若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

意外なライブ

きのうは、「オエップ」というバンドのライブに行った。

何年か前、知り合いのセンベー君から、いいバンドだと聞いて、一度ライブにと思いながら敬遠していた。

なぜ敬遠していたかというと、「オエップ」という名前が、酒臭い。
オエップとなるほど酒を飲む人たちという感じで、そこから色々想像が広がって、私の中で、「えぐいバンド」というイメージができあがってしまった。

めちゃくちゃ大音量のやかましいバンドで、激しいファンがたくさんいて、ライブハウスはタバコの煙でモウモウとなって、バンドの演奏に負けないくらいのわめき声が飛び交い、ギター弾きまくり、ベース弾きまくり、ドラムたたきまくりで、10時11時はまだ宵の口、ライブ途中で帰れる雰囲気ではない、というようなバンドを想像していた。

10時半には寝たい私としては、ライブに行くのはいいけど、鼓膜が破れそうな演奏を聞かされた挙句、帰らせてくれないのではないかと恐れて、敬遠していたのである。
たまたまライブハウスのスケジュール表を見てたら、「オエップライブ・3月29日・6時開演」と出ていた。
6時開演なら、その日のうちには帰してくれるだろう、と思って行ったのである。

私の思い込みは、激しく裏切られた。

まず、大勢のホットなファンがいると思っていたのに、会場にいたのは四人で、空気も良かった。
まあ、センベー君は、自分のバンドのライブでも、バンドメンバーの方が客より多いことはしょっちゅうだといってましたね。

耳をつんざく大音量ではなかった。
いい音であった。

弾きまくりもたたきまくりもせず、良識的な演奏態度であった。
ヘヴィーメタル!という音楽を予想していたが、なんか和風で、「元禄花見音頭」的メロディも感じられる不思議な、得体の知れない音楽であった。

そして、エンエンと続くと覚悟していた演奏は、こういうライブでは「お約束」といってもいい「アンコール!」もなく、あっさりと30分ほどで終わった。

すべてが意外で、意外に好感が持てた。
ベースの人とは、センベー君のライブで会ったことがある。
終演後、話していたら、彼が、今年の「鹿せんべい飛ばし大会」の司会の女性と知り合いだといった。

「ああ、あの若い人?」
「いや、若くはないですよ」

年を聞いてびっくりした。
30くらいだと思ってたのに。
これが一番意外であった。