今日から、近くの「Ｔ美術研究所」でデッサンの勉強をする。
「Ｔ美術研究所」というのは、美大受験生の予備校みたいなものである。
私も、本格的に絵を描くために、美大受験！というわけではありません。
去年から、カルチャーセンターで人物画を描き始めたが、デッサンが難しい。
これまで、好き勝手に描いてはきたが、まともな「美術教育」というのは経験していない。
中学、高校では美術の授業を受けた。
しかし、何を習ったか全然おぼえてない。
人物を描くには、デッサン力が必要だと思うが、デッサンの勉強は面白くなさそうだ。
立方体や球体、卵などを鉛筆でこつこつ描くのは、ごめんだ。
石膏デッサンも、面白くなさそうだ。
と思っていたのだが、先日、はじめて石膏デッサンをしたら、意外にも面白かった。
面白くてためになるなら、やってみよう。
そう思って、「社会人のためのデッサン教室｣をさがしたら、Ｔ美術研究所が見つかった。
しかし、Ｔ美術研究所のカリキュラムを見ると、いきなり石膏デッサンはできない。
鉛筆デッサンからはじめなければならない。
このトシになると、そこであきらめたりしない。
よっしゃ！先生に直談判だ。
Ｔ美術研究所を訪問。
先生に、「面白くないことはしたくないので、鉛筆デッサンは飛ばして、石膏デッサンから始めさせてください」と訴えた。
「そうですね、まあ、受験するわけじゃなし、楽しみで絵を描くのだから、まけときましょう」という返事が返ってくるかと思いきや、先生は、「やはり基礎が大事です、いきなり石膏デッサンをやるより、簡単な幾何学的物体を描くことからはじめる方が、結局上達が早いです」、と譲らない。
いや、面白くなさそうなことはしたくない、何とか石膏デッサンから、と粘りに粘ったが、先生も一歩も退かず、結局押し切られてしまって、今日が第一回の授業。
教室に張り出された、受験生たちの見事なデッサンを見ているだけで、やる気が失せてくる。
今日は、基礎中の基礎、線を引きまくった。
2時間ほど引きまくった。
縦横斜めに引きまくり、紙面は完全に真っ黒になった。
面白くないこともないのが不思議であった。
自分の身体や頭を駆使するのは、面白くないこともないのでしょうね。
