きのう、ベーグルを作った。
週一回は作ってますね。
朝から、降りそうで降らないうっとうしい天気なので、こういうときこそ職人になりきって汗を流すのもよいのではないか。
ボールに材料を入れて、こねはじめてすぐ異常に気づいた。
べちゃべちゃである。
これまでに経験したことのない「べちゃべちゃ」である。
計量をまちがったのかと思って計りなおしたが、総重量は合っているようだ。
そのうち今までみたいな感じになるかと思ってこね続けたが、ずっとべちゃべちゃのままだ。
どうも何か失敗したようだ。
捨てて作りなおそうとしたら、家内が「だいじょうぶよ」という。
だいじょうぶ?
素人が何を言うか。
それは家内だってパンを作ったことはある。
一時はパン作りに凝って大量の小麦粉を買い込んだこともある。
小麦粉を買うのはもったいないから水車小屋を作ると言い出したこともある。
しかし、パン作りといってもホームベーカリーで作っただけだ。
こっちは手作りベーグル一筋9ヶ月だ。
私がスーパーの小麦粉の棚に近づけば、日清製粉のカメリヤ強力粉がにっこりほほ笑むくらいだ。
その私が、こんなべちゃべちゃではだめだというのにだいじょうぶとは。
「手に粉をつければいいのよ」
本質的なことがわかってない。
こういう表面的なことをいうようではだめです。
手に粉をつければ作業がしやすくなることくらいはわかる。
そういう問題ではなくて、まともな、本格的な、「若草鹿之助商店謹製!」と自信を持って世に送り出せるようなベーグルが出来るかどうかが問題なのだ。
だいじょうぶだいじょうぶ、と繰り返すので、仕方なく何度も手に粉をつけてこねるうち、少しはマシになってきた。
「べちゃべちゃ」が「べちゃ」くらいにはなった。
焼き上がりにも不満が残ったが、食感、味にはかわりがない。
家内は、ほら、だいじょうぶだったでしょう、と満足気であるが、すっきりしない。
きのうの湿気が影響したのであろうか。
あるいは、きのう初めて使った生協の強力粉のせいだろうか。
うっとうしい空気を吹き飛ばすはずがよけいにもやもやしてしまった。