「エジソンのお箸」が届いた。
「すぐに正しいお箸使いができるようになります」というキャッチフレーズにひかれて家内が注文していたのだ。
私がいつまでたっても握り箸なので、業を煮やした家内が矯正のため注文したというわけではなく、はなちゃんのために買ったのです。
「特許:ママも安心しつけのお箸」である。
「人体工学に基づいた設計により、正しいお箸の使用法を自然に身につけることができます」とのことである。
いくらなんでも生後一ヶ月の赤ん坊に「お箸」は早いというご意見もあろうかとは思うが、鉄は熱いうちに打てといいますし、はなちゃんは、ちょっとふつうの赤ん坊とはちがう「天才赤ん坊」ですから、来週あたりから箸を使うと言い出すかも知れない。
備えあれば憂いなし。
さて、「特許」も「人体工学」もわかるが、「エジソン」とは?
エジソンが、電球のフィラメントに日本の竹を使ったことは有名である。
京都八幡の竹を炭化したものを使うことによって、電球の寿命が飛躍的に伸びて、普及することになったのだ。
その縁で、エジソンは昭和の初めに京都を訪れ、祇園で一夜を過ごしたが、そのとき、日本人が器用に箸を使って、豆腐や豆を食べるのに驚いた。
負けん気の強いエジソンは、箸で、豆腐と豆を食べようとしたが、どうしてもできず、あきらめた。
それを見た舞妓の一人が、「エジソンはん、天才は、1%のひらめきと、99%の汗とちがうんどすか。あきらめたらあきまへんえ」とからかった。
その言葉にカチンと来たエジソンは、晩年、「箸使いの研究」に没頭することになる。
死ぬまでに、箸で豆腐と豆を食べたい。
エジソンの最後の夢であった。
そして、不眠不休の努力の結果、死の直前、完成したのが、誰でも上手に箸が使えるようになる「補助矯正用エジソンの箸」で、エジソンが取得した最後の特許となったのであるが、これを幼児用に改良したのが今回購入した「エジソンのお箸」なのであると、説明書に書いてあったら面白いのだが、説明書には、なんで「エジソン」なのか何にも書いてないので、面白くないのであった。