若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「見ないで」

今日はカルチャーセンターの人物画教室。

先週からの教室展も、今日が最終日で、私は「世話役」なので、早く行って皆さんの絵を外す。

後から来た先輩女性達が、「世話役さん、早くからご苦労様」とねぎらってくれる。
こういうとき、冗談を言いたくなるのが悪い癖だ。
教室では、黙々と絵を描いているので、私は冗談の多い男だとは思われていないのだが、言いたくなる。

「早くからご苦労様」
「朝6時から来てたんですよ」
「まあ!ご苦労様!」

この人は、何も考えてませんね。

次の人。
「早くからご苦労様」
「朝6時から来てたんですよ」
「え!6時!?ビル、開いてるの?」

少しは考えてますね。

「いや、開いてなかったんで、こじあけて」
「あらー、大変やったねー」

五十歩百歩か。

帰りに、先輩女性Kさんが出品してる団体展を見に行った。
百数十人のグループ展で、日本画あり、油絵あり、楽しかった。
Kさんは、ドイツ旅行したときの作品で、なかなかの力作であった。

さて、この展覧会で一番印象に残った作品のことは、あまり書きたくないが、書かねばならない。

百号ほどの「裸婦」である。
見た瞬間恥ずかしくなる。
画風が、「ポルノ漫画風」なのである。
画面中央に、これでもか!といわんばかりのなまめかしさで、グラマーな女性の後姿がドーン!と描いてある。

思わず目を背けたくなるのであるが、画面の女性が顔をこっちに向けているので見てしまう。
ニターッと笑ってる。

作者としては、にっこり笑わせたかったのかもしれない。

これ以上書きたくないが、一応書いておきますと、この女性は全裸ではなく、パンツを脱ぎかかってるのだ。
それで、こっちを振り向いてニターッと笑ってる。

で、タイトルが、『見ないで』というのである。
えーかげんにせーよ。

見ないで、といわれなくても見たくもないが、私は、絵の前で立ち止まってしまった。
画面中央に、文字らしきものが書いてあるのだ。
近づかないと読めない。

恥ずかしさをかなぐり捨てて、ぐっと近寄って読んだ。

うつくしいものを
うつくしいと思える
あなたの心が
うつくしい

もう一度言おう。
えーかげんにせーよ。

あいだみつをさんのこの「歌」に対する私の返歌も、もう一度書いておきます。

うつくしいものを
うつくしいと思える
あなたの心は
あたりまえ