興福寺の国宝阿修羅像の人気が爆発のようである。
阿修羅像の、東京、福岡ツアーを主催した朝日新聞を読むと、そんな感じだ。
私は、以前から仏像にあまり興味がなかったところへ、何年か前、アマチュアの仏像彫刻同好会の展覧会を見て、カックンとなってしまった。
定年退職後、趣味で仏像を彫り始めたという人たちの作品が、立派なものだったのだ。
奈良時代の国宝とか重要文化財とかいっても、当時の定年退職者が、止利仏師あたりが講師の文化教室で作ったものかもしれない。
仏像に対する、かすかな尊敬の念が、吹き飛んでしまった。
仏像には気の毒だが、しかたがない。
興福寺の阿修羅は、おしゃれでいいと思います。
千手観音とかも、変わっててよろしい。
こういう「仏」というのは、昔々の人が、理論的に生み出したといえばいいのか、想像力の産物と言えばいいのか、妄想のなせる業と言えばいいのか、まあ、けったいなものだ。
とにかく、人間世界を守る存在だったのだろう。
普通の人には理解できなかったと思う。
「阿修羅だ」
「はー、そうですか」
「DNAだ」
「はー、そうですか」
今も変わらない。
人間世界を守る不思議な存在というと、今思いつくのは、ウルトラマンとか、宇宙刑事シャイダーなんかだ。
宇宙刑事シャイダーには詳しい。
昔よく見た。
娘達がよく見たのでいっしょに見たのだ。
「フーマ」という悪の軍団がある。
大帝王クビライ様、ヘスラー指揮官、神官ポー、ギャル1、ギャル2などという異形のものどもが、妖術と恐るべき武器で地球を襲う。
といいたいが、どういうわけか、彼らは、小学校の校庭やゲームセンターで遊んでる子供達を脅かすだけだ。
それも、東京だけなので、ウチの娘達は、なぜフーマが大阪を襲わないのか不思議がっていた。
いずれにせよ、アメリカを叩き潰すくらいの力は持っているはずなのに、宝の持ち腐れである。
で、子供達を守るのが、宇宙のどこからかやってきた宇宙刑事シャイダーである。
仏像は、宇宙刑事シャイダーやウルトラマン、鉄腕アトム、鉄人28号、ガンダムみたいな存在だ。
と思います。
千年後、国立アニメの殿堂で、国宝鉄腕アトム像や重要文化財ガンダムの像を拝観することになる。
「千年前の人たちは、こういう存在に守ってもらおうと、心をこめて作ったのか」