横綱朝青龍が引退した。
引退したのかさせられたのか、よくわからん話である。
よくわからんし、さびしい話だ。
本人も親方達も、なんでこうなっちゃったのかなあ、と思ってるだろう。
お騒がせしてしまって、ということだが、勝手に騒ぎやがってという思いもあるだろう。
「横綱の品格」というが、「ヒンカク」なんてヘンな響きの言葉を使う人は信用できない。
初代若乃花だったか、親方から「カネも女も土俵に落ちている」と言われて稽古に励んだのだ。
ヒンカクはないけど、ちょっといい話として伝わってたと思う。
まあ、生きていくのは難しいというかつらいというか、しみじみしました。
朝青龍の相撲は好きだった。
スカッと勝つ。
気持ちよろしい。
ただし、あの「ダメ押し」とかいうヤツは見たくなかった。
「勝負の流れ」を超えた「反則」だと思う。
それと、時間一杯からの気合を入れる動作が嫌いだった。
闘志をかきたてるのかしらんが、見たくない。
好みの問題なのでしょうが、「闘志満々」はいいけど、「闘志むき出し」は嫌い。
娘達が幼いころ、テレビの『宇宙刑事シャイダー』をよく見ていた。
かっこいいロボットスーツに身を固めた宇宙刑事シャイダーは、怪物たちと戦う前、腰を落としウデを振りかざして、「宇宙刑事!シャイダー!」と叫んで見得を切る。
次女がそれを見て、「シャイダー、ようあんなことするな〜」と言った。
「どうして?」と聞くと、「恥ずかしくないのかなあ」。
シャイダーの見得を切る姿と、朝青龍の気合を入れる姿はそっくりである。
見てて恥ずかしい。
私が子供のころ、テレビでボクシングの番組が多かった。
メキシコやフィリピンの選手は、ゴングが鳴ると胸で十字を切った。
かっこいいと思った。
闘志をかきたてるのじゃなく、神のご加護を祈っていたのだろう。
琴欧州や把瑠都が、制限時間一杯、塩を取った手で十字を切ったらかっこいいだろうか。
ヘンだろうか。
相撲は格闘技でなく神事だというのは何度か書いた。
将来、イスラム教徒が横綱になるかもしれない。
明治神宮での奉納土俵入りは拒否するだろう。
相撲協会から引退勧告→イスラム諸国猛反発→日本への原油輸出禁止。
外国人力士スカウトに当たっては、「相撲は神事に参加することだ」と、よく説明しなくてはいけない。