若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

私は先生ではありません

今日は、人物画教室。

笑顔の可愛いモデルさんだ。
このモデルさんを描くのも、あと一回、皆さん仕上げにかかる頃です。

今日、モデルさんは二人連れだった。
もう一人は新人のモデルで、教室風景を見学させてほしいとのことである。

五分前、先生がやってきた。
私の後ろで、エプロンをつける。

向こうの方で、先輩モデルが後輩に、「先生にあいさつしましょうか」と言っている。

二人でこちらにやってきた。
先生の方へ行くと思ったら、新人モデルが私の前で立ち止まって、ぺこりとお辞儀した。

「新しく入りました○山○子です。よろしくお願いします」

もちろん、私はにっこり笑って、「そう、この仕事もなかなか大変だけど、まあしっかりがんばりなさい」と言った。

顔を紅潮させて、「ハイ、ありがとうございます」と答える後輩に、先輩モデルは、げらげら笑いころげてました。

ヤマハでも、十年ほど前、発表会の会場で、先生に間違えられたことがある。

始まる前、ステージに前にいたら、私よりいくつか年上と思える男性がステージに上った。

初参加のようで、緊張した面持ちで客席を見渡し、「うわ〜、ここで歌うんか・・・」とつぶやくと、私を見て、「あがるでしょうなあ」と言った。

私は、「そら、あがりますよ。十年ほどは、恥かくつもりで・・・」と、自分のことを言ったつもりであった。

その男性は、まあまあ無難に本番を終えたが、私を見つけるとすたすたやってきて、「いやー、あがりました!先生のおっしゃるとおりですなあ、十年は恥かくつもりでやります」

この人が、十年恥をかくどころか、五年で音楽で金を稼ごうとする妄想に取り付かれることになろうとは、思いもよらないことであった。