朝日新聞読者投書欄。
お母さんの二十三回忌で、読経中のお坊さんのケータイが鳴った。
お坊さんは、お経を読み上げながら、片手で返信を打った。
何たることかと思ってたら、しばらくしてまた鳴った。
お坊さんは、またもお経を読み上げながら、返信した。
お経を読み上げながら返信メールとは、なんと器用なお坊さんかと感心した、という投書ではありませんよ。
腹が立つというか、嘆かわしいというか、困ったもんだというか、あきれたもんだというか、そういう感情がいっしょくたになって投書したのだと思います。
お坊さんを弁護するわけじゃないけど、私用ではなくて、業務連絡だったのではないでしょうか。
「注文してあった釣鐘が宅急便で届きました。思ったより立派です(^o^)丿」
「了解。帰るまでに組み立てておくように」
「組み立てました。タイマー用の乾電池が要ります。単三二本お願いします」
「買って帰ります」
まあ、こんな感じだったのでは。
お経を中断しなかったのは、さすがプロだと言いたいが、ちゃんと読んだかどうか、わからない。
投書した人は、暗記してるから読み上げながら返信したと思ってるようだが、テキトーにムニャムニャ言ってただけかも知れない。
いずれにせよ、お経とケータイとどっちが大事なのか、お坊さんと檀家で話し合ういい機会だと思う。