佐藤さんのことを書くのを忘れてました。
ロサンゼルス国際空港でお世話になった佐藤さんです。
初海外の私たちは、ロサンゼルス国際空港に到着したのはいいけれど、その後の入国審査というのが、どうなるのか、どうするのか、不安であった。
その不安を拡大させたのが、ロサンゼルス国際空港の「裏口感」であった。
ロサンゼルス国際空港の「入国窓口」というと、アメリカの「玄関」だと思いますよね。
しかし、私には、玄関というより裏口に思えた。
入り口というより、出口という感じがした。
「いらっしゃいませ」というより、「出て行け」という感じである。
帰国の際の、成田空港で、いっそうその感を強くした。
成田空港の「入国部分」は、日本情緒豊かな飾り付けがしてあって、「ようこそ!日本へ!」という、熱烈歓迎ムードがけなげであった。
ロサンゼルス国際空港には、そんなものは皆無であった。
「ようこそ!アメリカへ!」というより、「何しに来た?」という感じであった。
飛行機から降りて、どうしていいかわからないので、とにかく先を行く人について行った。
「入国窓口」がたくさんあって、どこにいっていいかわからなかい。
適当についていって、「9番窓口」にならんだ。
9番窓口にならんだと思ったら、女性の声で、「ニホンジン、ナナバン、ハチバン。ニホンジン、ナナバン、ハチバン」という放送が聞こえてきた。
なんじゃ、と思ったら、通路にいる「ヒスパニック」と思える女性の声だ。
ありゃ、9番はダメなのか。
9番窓口の前の方には、韓国の人たちがならんでいる。
不安になる。
私同様不安を感じた家内が、前にならんでいた同じ飛行機から降りた体格のいい若い日本人男性に質問した。
その人は、今アジアからの便が着いたところで混み合っているが、9番でよろしいという。
ロサンゼルス駐在のサラリーマンで、ロサンゼルスに5年、海外経験は10年というので、力強い味方と思えた。
非常に感じのいい男性で、いろいろこまごまと親切に教えてくれたうえ、私たちがすむのを待っていてくれて、荷物の受け取り、迎えのタクシーまで付き合ってくれた。
わらにもすがりたい私たちであったが、彼は「わら」というより「丸太」のような人であった。
佐藤さん、助かりました。
ありがとうございました。