「あるきふじんのしょうぞう」と入力したら、『歩き婦人の肖像』と出た。
そうではなくて、『ある貴婦人の肖像』ですよ。
ヘンリー・ジェイムズの小説『ある婦人の肖像』が、映画になるとどうして『ある貴婦人の肖像』になるのか。
「貴婦人」にしたほうが、映画が当たると思ったんでしょうか。
十数年前の映画だけど、当たらなかったんじゃないでしょうか。
そんな気がする映画であった。
なぜこのDVDを見る気になったかというと、最近この小説を読み終えたからである。
読み始めたのが大学生の時だから、四十年以上かかったことになる。
大学の授業で、英語で読み始めて、途中で授業は終ってしまった。
面白そうな話だとは思ったけど、英語で読み続ける気力はなかったし、訳も出ていなかった。
大学を出てしばらくして訳が出たので買った。
せっかく買ったのに、読み続ける気がせず長らく放ってあった。
先日、ふと思いついて読み始めた。
ヘンリー・ジェイムズは、「単純な物語」であると書いている。
確かに単純な話だと思うが、文章がややこしい。
そのせいか、大変に分厚い小説になっている。
どんどん飛ばして読む。
そのせいか、何の話かよくわからなかった。
映画ならわかるかもしれないと思って、DVDを見たのであるが、やはりよくわからなかった。
人間、心を通わせあうのは難しい、しかし、その一瞬は美しい、というようなことを言いたかったのかもしれない。
映画の主演は、ニコール・キッドマンという女優である。
なんか、名前は聞いたことがある。
ベッピンさんである。
見ているうちに、なんとなく、この人は、花ちゃんに似てるな、と思った。
花ちゃんが生まれる前から、私には、花ちゃんが美人で頭がいいとわかっていた。
生まれて、それが当たっていたとわかった。
どんな顔の娘になるのだろうかと思っていたが、ニコール・キッドマンみたいになるのかもしれない。
まあ、別にそれでもかまわない。
私は高望みはしない。
花ちゃんは、最悪、ニコール・キッドマン。
その程度でよろしい。
花ちゃんの行く末に、ある程度の見当がついただけでも、『ある貴婦人の肖像』を見て良かったと思った。