電車で、板東英二さんがこっちを見て笑ってる広告を見かけたのは、だいぶ前のことです。
板東さんは、にっこり笑ってるつもりだろうが、にっこりというより、ニヤリ、あるいは、ニタリ、あるいはニンマリという感じがした。
いずれにせよ、あまりいい笑顔じゃないなと思った。
キャッチコピーで納得した。
「お金が戻ってきたら、うれしくないですか?」
ニヤリ、ニタリ、ニンマリの世界ですね。
サラ金被害者を救う業者の広告である。
いったん出たお金が戻ってきたら、誰だってうれしい。
誰だったかが言ってました。
「カネは、練り歯磨きみたいなものだ。いったん出したものは戻せない」
最近、電車で、同じ業者の広告を見た。
やはり板東さんが笑ってる。
今回は、ハンターの格好をしている。
キャッチコピーは、「戻ってくるカモ」
ふ〜ん、がんばってるんだなあ、と思ってインターネットで調べた。
この広告は、テレビでもしているようで、動画があった。
ハンター姿の板東さんが、双眼鏡で街を行く人々を見ている。
双眼鏡の視野に入った人物を見て、板東さんが、「この人は、戻ってくるカモ」とつぶやく。
次に目をつけた人物には、「この人は、払いすぎカモ」
なんだか、板東さんが、カモを探しているような印象を受けた。
街を行く人々を見ているというより、獲物を探してる感じだ。
仕事をしていたとき、得意先の中小企業の社員で、サラ金で大変な目にあった人を、何人か知ってる。
全員、おとなしい人だ。
会社では真面目な良き従業員、家庭では、良き夫良き父、という感じの人達だ。
その人が、500万円の借金を抱えて、ある日突然行方をくらましたと聞いて驚く。
あの人が500万円も使ったのか!?
あの人に500万円も貸すのか!?
話を聞くと、納得できるようなできないような。
パチンコをしたいので、3万円借りた、10万円借りた。
それが、いつの間にか30万円になった。
奥さんに泣きつけない気の弱い人には返済不可能である。
で、他のサラ金で借りる。
あっという間に、500万円になるんですね。
不思議に思ったのは、有名なサラ金業者が何社もその人に貸していたことだ。
返済のために借りる人ですよ。
「審査」というのをしないのか。
まあ、「カモ」だったんでしょうな。
そして、戻ってくるカモ。