今日は、デッサン教室。
入試直前、受験生達は殺気立ってます、と言いたいとこですが、よくわかりません。
いつもと同じ、真剣さです。
今日、私は石膏デッサンを仕上げました。
仕上がって困るのは、先生がほめてくれることです。
ほめてもらって何が困る?
ほめてもらうのは、困りませんよ。
いくらほめてもらってもいいんです。
ただ、受験生の前でほめるのはやめてほしいんです。
先生は、受験生に厳しく、社会人生徒にやさしい。
当然でしょうな。
当然だとは思うんですが、やっぱ、なんちゅうか、心苦しいというか、後ろめたいというか、困るんですわ。
さっき、男の子が、作品を見てもらって、厳しいこと言われたとこです。
「なんで、こうなったんや」
「・・・不注意でした。」
「不注意!?最悪やなあ。だいたいキミは、あまいで。一回でも見直してたら、気づくはずのことや!」
その直後に、わたしがほめてもらう。
「いやあ、ここまで描けたら言うことナシです!」
なんか、困るんですよ。
受験生達は、そ知らぬ顔で、黙々と、鉛筆を動かしたり、筆を動かしたり、粘土をこねたりしている。
私のことなんか、気にしてないよなあ。
先生にほめられていい気になってるアホなおっさん、とか思ってないよなあ。
私は、いい気になってませんよ!
キミたちの行く手に幸多かれと祈っておりますよ!
先生のおほめの言葉を聞きながら、こう、声を大にして叫びたい気持ちである。
仕上がったデッサンを提出して、帰り支度をしていたら、一浪の女性Kさんが近づいてきた。
「おっさん、ええ気になるなよ!」と言われるのかと思ったら、ちがった。
「あの、バレンタインに、クッキー焼いたんですけど・・・」
先生にほめられた上、バレンタインの手作りクッキーまでもらって、今日は本当に困ってしまった。