若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

円盤投げ

神戸市立博物館で開催中の「大英博物館古代ギリシャ展」に行ってきました。

この展覧会の目玉は「円盤投げ」です。
新聞、街のポスター、「円盤投げ」だらけ。
目玉も目玉、超目玉です。

こういう「超目玉」は、いいとこもあるし悪いとこもある。
いいとこは、古代ギリシャにも芸術にもたいして関心のない人にも、「行ってみよう!」という気を起こさせることでしょう。

悪いのは、それだけが目当てになってしまうことです。
スーパーの特売チラシを見たおばちゃんみたいに「目玉商品」に突進する。

今回、「円盤投げ」だけではなく、大英博物館の宝というか人類の宝ともいうべき傑作がたくさん来ているのに、「円盤投げ」だけに群がる。
大衆はミーハーだから仕方がないとはいうものの残念なことである。

私は、神戸市立博物館につくと、「円盤投げはどこじゃ〜!」と階段を駆け上った。
古代ギリシャの壷がたくさんならんでたけど、ギリシャの壷なんかどーでもよろしい。
いろんな彫刻もあったけど、それもどうでもよろしい。

皆さん熱心に見てましたなあ。
あんなもん、面白いか?

さて、息せき切って駆けつけた「円盤投げ」の周囲にはミーハーたちが黒山の人だかり、と思いきや、十人もいない。

不思議であった。
しょーもない壷、い、いや、古代ギリシャの壷に人だかりで、「円盤投げ」は人影まばら。
高級な芸術愛好者が多かったのかな。

で、「円盤投げ」。

すばらしー!
とにかくかっこいい。

よくこんなかっこいいもの作れましたね。
理想の人体か筋肉かなんかしらんが、かっこいい。

思わず、「オイノ・コスメティコス・セゲハレス!」と叫んでしまった。

横にいた男性が、「今なんと言ったんですか」と聞くので、「ギリシャ語で、『何と素晴らしい彫像なんだ!』と言ったんです」と答えたら、その場にいた人はギリシャ語を知らない人ばかりだったようで、いっせいに声をそろえて「オイノ・コスメティコス・セゲハレス!」と叫んだ。

円盤投げ」が苦笑を浮かべたようであった。

正面から見ても、まあ、どこが正面か知らんが、裏から見ても横から見てもかっこいい。
周囲を何度もグルグル回ったけど、どこから見てもかっこいい。

しゃがんで見上げたけど、やっぱりかっこいい。
しゃがんだままグルグル回ってたら、係りの女性に「他のお客様の迷惑になるのでやめてください」と言われた。

ダイナミックなポーズなんですが、安定してる。
美しかったです。

それにしても、なぜ「円盤投げ」の部屋だけすいてたんでしょうか。