今日は人物画教室。
先輩女性70代半ばのTさんは、いつも歩くだけで息を切らせて、かなりの減量が必要と思われるのであるが、今日、教室に入ると、フウフウ言いながら近づいてきて、デジカメを見せながら「これ、どうなってるのやろ?」
写そうと思ったらレンズが出てこないという。
「power」スイッチを押したが、何の反応もない。
「電池、ないのとちがいますか。充電しました?」
「・・・したことあるよ」
「いつ?」
「え〜っと・・・」
いつ充電したか結局思い出せなかった。
Tさんより少し若いKさんは、しばらく休んでいて久しぶりの出席だ。
女性が休むのは、親かご主人の介護、娘のお産の手伝いなんかが多い。
「どなたか悪かったんですか?」などと聞くのもしゃれにならない。
「Kさん、久しぶりですね。イタリアスケッチ旅行ですか」
「そう。2週間行ってたの」
うわ!
当りですか!?
忘れてました。
女性が休むのは、介護の他に海外旅行が多いのであった。
さて、TさんやKさんと同年代の女性Aさんのことを、自己中とか自分勝手とか言う人がいるが、私はそういうレッテルを貼るようなことはしたくない。
Aさんはこういう人だ。
先週がこのモデルさんの二回目であった。
Aさんは、一週めに長いすにかけた布を、気に入らないからと言ってちがう布に変えてしまった。
描きかけてる人もいるのに。
皆さん、Aさんのすることに文句は言わない。
さて、今日、モデルさんのポーズがなんかちがう。
先生のお言葉「人間は動きますからなあ」ということで、私はしかたないと思っている。
しかたないと思わない人もいる。
「モデルさんの角度、前とちがうね」
すると、Aさんが「クッション変えたんよ」と言った。
モデルさんがもたれてるクッションを変えたら角度が変わるのはあたり前だ。
Aさんのすることに誰も文句は言わない。