今日は人物画教室。
新しいモデルさんを描く。
「モデル」というとどんな人を思い浮かべるだろうか。
たぶん、「モデルみたいな人」を思い浮かべうる人が多いと思う。
「モデルみたいな人」とは、スタイルが良くてべっぴんさん、という感じでしょう。
まあ、モデルとは縁のない世界に住む一般素人にとって、モデル=ファッションモデル、「モデル」といえば「モデルさんみたいな人」となるのは無理はない。
でも、絵のモデルはちがいますよ。
モデルさんみたいなモデルさんもいるし、モデルさんみたいじゃないモデルさんもいる。
いろいろです。
今回のモデルさんは、いかにもモデルらしいモデルさんだ。
身長170㎝、非常にスタイルがよくて、顔が小さく卵型である。
で、こういうモデルさんが描きやすいかというと、そうでもないのが不思議である。
動かないモデルさんが描きやすい。
しかし、座って疲れず安定したポーズは面白みがない。
今回も、先生が、モデルさんをうつむかせた。
教室の床に印をつけて、そこを見続けてもらう。
20分間見続けてもらう。
これは難しい。
だんだん顔が下がってくる。
印は見続けてるんでしょう。
上目使いでネ。
首のかたむきも微妙にちがってくる。
右腕を椅子についている。
これも疲れますよ。
腕が一直線のはずが、いつのまにか「くの字」になってる。
こうなると、顔が卵型で身長が170㎝でスタイル抜群でもそんなことどうでもよくなる。
疲れるからしかたがない。
が、私が通ってる美大受験予備校に来るモデルさんは、かなりがんばる。
ひょっとすると、モデル事務所で、「カルチャーセンター用モデル」と「受験予備校用モデル」と分けてるのじゃないかと邪推したこともある。
そうではなくて、モデルさんの心構えの差が出るのかもしれない。
カルチャーセンターで、中高年相手にポーズするのと、予備校で受験生相手に座るのとでは、気合がちがって当然と言えば当然です。
我々も、モデルさんが緊張して金縛り状態になるくらいの集中力で見つめなければならないのかもしれない。