若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

菅野博史『法華経入門』

お経の入門書、なにかいいのがないでしょうか。

「お経はありがたい。ありがたいけど難しい。難しいけど私にはわかってるんですな、ムハハ」的入門書が多いと思います。

で、『法華経入門』です。
法華経も他のお経と同様、いろんな人がありがたいと言ってます。
法華経は、諸経の王と言われてきた」というのも何度か読みました。

「諸経の王」!

すごい!
誰が言ったか知りたいじゃないですか。

この本の一番最初にも、その文句が出てきます。

「本書で取り上げる『法華経』は、平易な表現と深い宗教性によって、古来『諸経の王』とたたえられてきた魅力ある経典である」

ふむふむ。
読み進めて75ページ。
「諸経の王の意味」という見出しが出てきます。
さあ、ここで誰が言ったかわかるのか。

期待して読んでかっくんとなりました。
法華経の中に書いてあるんですて。

法華経の中に、「法華経は多くの経の中の王である」と書いてあるそうです。

あのねー。
今なら公正取引委員会から不当表示として排除命令が出るんじゃないでしょうか。

こう思うのは私だけじゃないようで、江戸時代の国学者平田篤胤は、「法華経は効能書きばかりで丸薬がない」と批判してるそうです。
自己宣伝が多いようです。
私は、平田篤胤がそういうのはもっともだと思うんですが、著者は、平田さんが法華経の深い宗教性を理解しようとしていないと主張してます。

平田さんがわからんちんなのかどうかは知りませんが、法華経の中に出てくる文句なら、「古来たたえられてきた」という紹介の仕方はおかしいんじゃないでしょうか。

法華経は諸経の王であると法華経に書いてある」

こう書いてくれたら、いくらおっちょこちょいの私でも、「すごい!」などと思いませんよ。
なぜみんなこう書いてくれないのだ。

法華経はすごいと思って損したと思って75ページでやめたので、また入門しそこなってしまいました。(>_<)