ロートレックの画集に出ていた写真をもとに描きはじめました。
「もっと美人に描いたれよ!」シリーズ第2弾です。
マネはベルト・モリゾを美人に描いてやらなかった。
義憤に駆られて私が描きました。
ロートレックはマネよりひどいと思います。
ロートレックのモデルになった女性は全員怒ってたそうですが、そうでしょうな。
しかし、私の目で見て、「これならいいんじゃないか」と思える女優ベルト・バディ夫人像でも、受け取り拒否されたそうですから、「女性の肖像」、まあむずかしいといえばむずかしいですが。
プレゼントされたのを断るんですから、ベルト・バディ夫人という人もかなりの根性ですね。
なぜ、マネやロートレックは美人に描かなかったのだろうか。
美人に描く画家は大勢いたんでしょうね。
そういうことはしたくなかった。
真実を描きたかった、というより、「美人画」がおもしろくなかったんじゃないでしょうか。
自分の信じる道を歩んだんですね。
私みたいに、奥さんや娘に言われて描きなおすというようなことはしない。
えらいです。
当時、上流階級の奥さんや御嬢さんをモデルに美人画を描きまくって大人気だった画家たちは今では忘れ去られてるようです。
これもむずかしいもんですね。
で、今回描き始めた絵ですが、ロートレックのアトリエに踊り子のジャヌ・アヴリルがいて、二人で制作中の絵を見てます。
ベルト・モリゾの写真を見たときと同様びっくりしました。
べっぴんさんですよ。
ロートレックはジャヌ・アヴリルが大好きで、彼女をモデルにした作品が一番多いそうです。
ロートレックの作品の中のジャヌ・アヴリルは、生活に疲れ果てた女、という感じです。
写真では、若々しいべっぴんさんです。
悲惨な少女時代を送ったひとのようで、ロートレックはそういう彼女の内面に魅かれるところがあったのかもしれません。
ロートレックに描かれて文句を言わなかったただ一人の女性だそうです。
えらい!
やまとなでしこの鑑、といいたいけど、フランスなでしこか。
内面に踏み込めない私ですので彼女の表面的美しさを描きたいと思います。
いい写真です。
穏やかな人生を送ってるわけじゃない二人が、互いに心を通わせ合って穏やかなひと時を味わってるように思います。