若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

男女共同参画

朝日新聞朝刊。

「新しい日本を創る働き方」という討論会記事が出てます。
その中で、「男女共同参画」という言葉が出てきますが、なんかヘンだと思う。

「男女共同△」みたいに思うのは私だけではないでしょう。

「男女共同◎」を目指したいが、今のところ「男女共同△」です。
これならわかりやすい。

私が仕事をしだした四十数年前、身近な働く女性というと、取引があった信用金庫の女子職員でした。
店頭でテキパキ仕事をしてた。

男性職員の話によると、この信用金庫は北陸地方の高校出身の女性が多いということだった。
女子寮でお茶、お花、料理、裁縫などを身につけて、家に仕送りして結婚資金をためて五年ほどで結婚してやめていく。

男性職員は力を込めて言いましたよ。
「ウチの子ォら、みんなしっかりしてまっせ〜!」

この、若い女子職員グループのほか、身近な働く女性として、「事務のおばちゃん」グループがあった。

中小企業の事務所で、帳面や伝票とにらめっこで、電卓をパチパチ、当時はまだそろばんをパチパチもありましたが、そんな「事務のおばちゃん」と呼ばれてる人たちです。
若い女性はほとんどいなかった。

この、何の肩書もないおばちゃんたちが、会社のすべてを知り尽くした恐るべき存在だと知るのに時間はかかりませんでしたね。

専務や工場長、営業部長さえ知らない、真実の売り上げ、利益を知ってるのはもちろん、社長のひそひそ電話に聞き耳を立てて、夫婦関係家族関係女性関係まで、まあ、なめとったらあかんで、という感じでした。

「事務のおばちゃん」は頭いい。
男はあほや。

私は、若くしてこう思い知りました。

A社の事務のおばちゃんは忘れられません。

社員百人ほどの会社で、私は、工場長、技術部長、生産管理部長などと交渉する必要があった。
で、この人たちが、はっきりせんのです。
何を聞いても要領を得ない。

ある時事務所で工場長に質問してたら、例によって、「う〜ん、むにゃむにゃ」という感じ。
と、横で電卓をたたいてたおばちゃんが、「工場長、それはこうです」ときっぱり答えた。

その瞬間、私は悟りましたね。
この会社のことは、このおばちゃんに聞けばいいのだ!

その後、私は、工場長、技術部長、生産管理部長はスルーして、すべてそのおばちゃんと直接やり取りしました。
そこまで知ってるのか、そこまでわかってるのかと驚いた。

全員クビじゃ!
このおばちゃんを工場長兼技術部長兼生産管理部長に!

女はかしこい、男はあほや。

こう思ってるのは私だけではなかったです。
ある会社の社長も、「男は力仕事だけでええで」と言ってました。

「男女共同△社会」じゃなくて、「男×女○社会」。
どうする日本。