きのう、はなちゃんと公園に行きました。
はなちゃんのマンションの近くの広い公園です。
いつ行っても誰もいません。
たまに、先生に連れられて保育園の子供たちが来てるくらいです。
きのう、公園に入っていくと、向こうの方にお母さんと男の子がいました。
男の子は、手押し棒の付いた車にまたがって、お母さんが押していました。
キュルキュル音がしてました。
いっしょに遊べるかなと思って近づいていったんですが、帰る時間だったようで、お母さんは、向こうのマンションに続くスロープの方へ車を押していきました。
すると、男の子が、「もっと〜!びえ〜〜ん!うわ〜〜ん!」と泣きわめきだしました。
お母さんは構わず無言で押していきます。
男の子は、「もっと〜〜!びえ〜〜ん!うわ〜〜ん!」とわめき続けます。
はなちゃんは、立ち止まって、男の子の方をじ〜っと見てました。
戻ってくるかなと思ったけど、男の子が泣きわめくのを無視してお母さんはスロープを登り始めました。
「もっと〜〜!びえ〜〜ん!うわ〜〜ん!」
ついに二人の姿は木立の陰に消えて行きました。
男の子の声がひときわ高く響きました。
「もっと〜〜〜〜〜!びえ〜〜〜〜〜ん!うわ〜〜〜〜〜ん!」
そのときです。
はなちゃんが、にっと笑ったんです。
くちびるの端をちょっとゆがめて、「むふっ」と笑ったんです。
こ、これはいったい・・・!?
クールというかニヒルというか、まあ苦みを含んだような笑いでございますよ。
2歳9か月の女の子の笑いではございません。
完全におとなの笑いです。
泣きわめく男の子の声を聞いて、「むふっ」でございますよ。
これはもう「おひなさまを上手に描きました」てなレベルじゃないでしょう。
「こどもって、しょうがないなあ」というか「男って、しょうがないなあ」というか、人間を観照するというか人生を省察するというか、随想録というか徒然草というか、まあ恐るべしはなちゃん!と思いました。
誤解されるといけないので言っておきますが、素顔のはなちゃんは、かわいい女の子です。
ニヒルとか世の中を斜に構えてというような子ではありません。
↓ふだんは苦味のない笑顔です。