お隣に回覧板を持って行ったら、奥さんが出てきて、私の顔を見るなり、「帰ったんです!」と言って、今にも泣きだしそうな表情を浮かべた。
涙目です。
これには深いわけがあるんです。
お隣の娘さんが7月に赤ちゃんを産んだ、
お隣のご夫婦にとっては初孫です。
産まれてから約二か月いた孫が、「帰ったんです!」+「涙目」となったわけで、まあ、ご愁傷さまですとお悔やみ申し上げるほかないのである。
なんといっても、お隣の奥さんは、初孫誕生までは、ウチのはなちゃん、ゆうちゃん、ことちゃんを、それはそれは、かわいいかわいい!と見るたびにキャアキャア言ってくれた方です。
待望の初孫が帰ってがっくり落ち込むのは予想してました。
でも、お隣は、誕生後二か月、帰ったと言っても大阪です。
そこへいくとウチは悲惨でしたよ。
ウチの初孫はなちゃんは、生まれてから6か月ウチにいたんですよ。
そして、ある日一気にロサンゼルスに行っちゃった。
まあ、徐々にロサンゼルスに行くということはありえませんが。
でも一気に行かれたのはこたえた。
家内と二人、これがせめて北海道なら、沖縄なら、いや、孤島でも日本のチベットでもどこでもいい!なぜロサンゼルスに行っちゃったんだ!と嘆き悲しんだものでございます。
チベットの方には申し訳ないけど、そう思っちゃった。
それに比べれば、二か月いただけで、大阪でしょ!
第二阪奈道路を走れば30分でしょ!
それで涙を浮かべるなんて、ジョーダンじゃないぜ!しっかりしろ!と奥さんをどやしつけるのはやめて、「さびしいですよね〜」と心から同情してるふりをして回覧板を渡そうとしたら、奥さんは私の手から回覧板をひったくるようにして、家へ駆けこんでいきました。
ワッと泣き出すところを見られたくなかったんでしょう。
まあ、いいじゃないですか。
奥さん、またゆうちゃんをかわいがって下さい。