仕事をやめてから、毎日、テレビのラジオ体操をするようになりました。
テレビのラジオ体操というのもややこしいいいかたですが。
はじめのうち、ぼ〜っと体操してたんですが、そのうち、体操のお姉さんたちの動きの美しさに気づいたんです。
さいきん、ますます「美しい!」と思うようになってきました。
目が肥えてきたんですな。
人間の体はこんなふうに美しく動かせるのだ!という見本です。
これが、オリンピックの体操だと、スロービデオで見ないとわからない。
それに、あれは誰にでもできるものではない。
ラジオ体操の動きはスローにしなくてもわかります。
やろうと思えば、誰でもとはいわんができる人が多い。
手の届く範囲である。
手の届く範囲に、「美」がある。
これがわかるようになったのだから、私もえらいもんです。
ラジオ体操のお姉さんの動きを見れば、人類すべて感動すると思います。
と思ったんですが、いや待てよ。
これはギリシャ、ローマ系の「美」かもしれない。
平安時代に私みたいな男がいて、ラジオ体操を見て「美しい!」と思うだろうか。
私みたいな男というのも漠然としてますが、具体例を上げると、光源氏あたりかな。
光源氏が、紫の上が十二単を脱ぎ捨ててレオタード姿でラジオ体操をするのを見て「美しい!」と思うだろうか。
その美しさに打たれて、「あしひきの・・・」とか歌を詠んだりするだろうか。
詠まんな。
ラジオ体操の美については、もう少し考えてみる必要がある。