はなちゃんと二階で遊んでました。
プラスチックの小さなおもちゃを踏みつけたようで、痛い痛いと顔をしかめました。
一大事である。
よっしゃ!
はなちゃん、だいじょうぶ!
痛い方の足の裏をペロペロなめてやりました。
ちょっとしょっぱかったです。
一生懸命なめてたら、「おじいちゃん、ありがとう。おじいちゃんがなめてくれたから、もう痛くなくなった」と言いました。
よかったよかった、と思ったら、はなちゃんは、その足の裏を、カーペットでゴシゴシゴシゴシふきました。
よほど気持ち悪かったようです。
しばらくすると、またどこかでぶつけたようで、ひざが痛いというので、「痛いの?なめてあげよう」と言ったら、「だいじょうぶ、もう痛くない」と言いました。
よほど気持ち悪かったようです。
しばらくすると、どこかで手をぶつけたようで、「痛い痛い」というので、「なめってあげようか」と言ったら、「自分でなめるからいい」と言いました。
よほど気持ち悪かったんですな。
しばらくすると、「ロシアさんがこわい」と泣き出しそうな顔になりました。
「ロシさん」というのは、本棚に入ってるロシアの人形です。
はなちゃんは、これを非常にこわがるんです。
普通の美人人形だと思うんですが、こわがります。
「ロシアさんこわい。神戸に帰りたい」と今にも泣きそうです。
はなちゃんを元気づけなければ!
元気が出るといえば、行進曲!
何を隠しましょう、私は行進曲通です。
はなちゃんのママが、中学時代、吹奏楽部だったので、結構聴いてるんです。
発表会、コンクール、CDの「世界のマーチ」などなど。
さて、はなちゃんを元気づけるには、スーザの「ワシントンポスト」、エルガーの「威風堂々」あたりがいいんじゃないでしょうか。
二曲続けて、元気よく行ってみよう!
「♪チャチャチャチャ〜!チャチャッチャカチャ〜!チャカチャカチャカチャカチャッチャカチャッチャチャ〜!」
はなちゃんは、暗い表情のまま、上目遣いに私を見つめてます。
では、「威風堂々」!
「♪パッパカパ〜パラパラパ〜!ブンチャカブンチャカパッパラパーパッパッパ〜!
暑い中二曲連続はしんどいです。
一息ついたとき、上目遣いにじっと私を見つめていたはなちゃんがこう言ったんです。
「おじいちゃん、暑いのに、うるさいわね〜!」
ガ〜〜〜〜ン!
ひ、ひど〜い!
人物画教室まで休んでサービスしてるのに。(>_<)