若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

呼び声2

朝食の最中、人の声が聞こえたような気がした。

家内が2階で呼んでるのかと思ったが、ちがった。
空耳かとも思ったが、たしかに聞こえる。

なんだろうかと耳を澄ますと、なんと、「おじいちゃ〜〜〜ん!」という、しょうちゃんの呼び声なんです。

きのうに引き続き可愛いじゃございませんか。

これは行かねばならぬ、お放しくだされ妙心殿、以下同文。

そのあともず〜っと以下同文で、今日もまたきのうと同じ以下同文の一日が過ぎてゆくかと思ったら、ピンポ〜ンとチャイムが鳴って、きのう現れたのは、結婚披露宴以来「才色兼備の」と言われっぱなしのおばあちゃんでしたが、今日現れたのは、作業服姿のむくつけき男で、「煙探知機」の検査に来たというんです。

しょうちゃんは、すやすやとお休みでしたが、検査くらいいいだろうと思ったのが畜生の浅ましさじゃなかった素人の浅はかさでした。

「では寝室から」と言って、男が検査器を近づけたとたん、凄まじい大音量で、「ピーポーピーポー!火事です!火災が発生しました!安全を確認して避難してください!ピーポーピーポー!火事です!火災が発生しました!・・・」

なんじゃこれは!
これが検査かい!

本番さながらの避難訓練ではないのか。

「次は洋間」というので、私はあわててしょうちゃんを抱えて避難いたしました。

私とママは焦りましたが、しょうちゃんは堂々と眠り続けて、生後20日にして既に大器の片鱗を見せつけるのであった。

しょうちゃんをお風呂に入れてから、デパートに行きました。

1階の化粧品売り場を歩いてたら、カウンターの中に、白いいかにも安物風のTシャツと黒ズボンの、引越しの手伝いみたいな女性がいたので、棚でも運んできたのかと思ったら、シャネルの店員さんでした。
なぜそんな安物を着るのだ。

デパートからの帰り、駅のバス停で待ってたら、改札口の方から、ケタケタ笑う声が聞こえるので、見ると、幼稚園くらいの男の子がケタケタニコニコ笑いながら走ってくる。

後ろからお母さん風の女性が追いかけてくる。

ケタケタニコニコ男の子が笑い声を上げながら私の前を走り過ぎていく後ろ姿を見送ったその先に、両手を大きく広げて満面の笑みを浮かべたおばあちゃん風の女性が仁王立ちで、「来た来た来た来た〜!」

男の子は、「おあばあちゃ〜〜〜ん!」と叫びながら胸に飛び込んで行きました。

春休みです。