イギリスの歴史家ウエッジウッドさんの本を読み続けてます。
クロムウエルは、軍隊を率いて清教徒革命に勝利し、チャールズ一世を処刑し、その後、護国卿として最高権力を握った人です。
チャールズ一世を憎んでいたわけではなく王制を倒したかったわけでもなく、ただチャールズ一世みたいなとんでもない王様を生かしておけばイギリスに平和は来ないと信じて処刑したようです。
権力の座につきたかったわけでもなく、時の巡り合わせで、自分が最高権力の座につくことでイギリスが安定すると信じただけのようです。
その証拠に、とウエッジウッドさんは、クロムウエルの子供たちに対する処遇をあげてます。
息子たちをどんどん出世させなかった。
そこそこ出世させた。
娘たちを、超大物と結婚させなかった。
そこそこの縁組をした。
そのおかげで、クロムウエル亡き後、イギリスは激しく揺れ動きますが、クロムウエルの未亡人も息子たちも娘たちも、全員静かに暮らし、静かに死ぬことができたそうです。
難しいもんですね。
権力闘争に首を突っ込めば、生きるか死ぬかです。
死刑になったり追放されたり亡命したり財産を没収されたり、大変だったと思います。
クロムウエルが、みんなそこそこでよろしい、と信じたおかげですね。
まあ、えらいおとうさんだと思いました。