今日、電車で立ってたら、前に座ってる若い女性がスマホでゲームをしてました。
画面の上の方から、色とりどりの小さなボールみたいなのが大量に落ちてくる。
それを、目にもとまらぬ早業で人差し指を激しく動かして、なんかわからんが操作してる。
夢中である。
一心不乱である。
集中である。
人差し指を、ぺっぺぺっぺ!と動かしてる。
夢中である。
見ているうちに、しみじみとしてきた。
なんちゅうか、「もののあわれ」を感じてしまった。
「もののあわれ」って何か知りません。
何か知らんけど、感じたのだからしかたがない。
前にもこういうことがあった。
駅のベンチにすわってたら、隣から、「ピュンピュンピュンピュン!」という小さいけど激しい音が聞こえてきた。
何かと思ったら、中年女性がスマホのゲームをしていた。
スマホにおおいかぶさるようにして、人差し指で画面を激しくたたいていた。
無茶苦茶にたたきまくっていた。
その姿を見たときも、しみじみと、もののあわれを感じてしまった。
スマホにも、早打ち系ゲームにも、なんのうらみもありません。
偏見も思い込みもありません。
夢中になってる人を、苦々しいともばかばかしいとも思わない。
楽しそうだなとも思わない。
私が発するしみじみ感に気づかず、若い女性はひたすら、ぺっぺっぺ!と人差し指を動かし続けるのであった。