バス停で。
80代と思える背広を着た男性が立ってました。
その人が、足元に目をやったと思たら、ベンチに靴を乗せてひもを結びなおした。
なんというじいさんじゃ。
いい年をして、ベンチにすわる人のことを考えないのであろうか。
苦々しく見てたら、結び終わると、その人はベンチにすわった。
自分が靴を乗せてたとこにひょいとすわった。
かっくんとなってしまった。
それほど悪い人ではないのかもしれない。
苦々しく思うようなことではなかったのかもしれない。
こういうの、なんていうんですかね。
自業自得じゃないな。
自己責任でもなく因果応報でもなく、自分でまいた種は、でもなく、自分の尻はでもなく、おたがいさまでもなく、おもてなしでもなく、同病相哀れむでもなく、と考えてたらバスが来て、その男性は、私に軽く会釈して「おさきに」という感じで乗り込んだので、こういうのなんていうのかな、たつ鳥あとを濁さず、でもなく、あとは野となれ、でもなく、あとに続くを信ず、でもなく、といろいろ考えてたら、運転手に、「お客さん、乗るんですか」と声をかけられたので、あわててバスに乗ったのであった。