若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

おれも男だ!

バス停のベンチにすわってバスを待ってたら、80代と思える超小柄な女性二人が近づいてきた。

そのうちの一人が、私に何か言うんですが、何を言ってるのかよくわからない。

誰かが倒れてるので助けてほしい、こっちこっち、と言ってるみたいなのでついて行ったら、80代と思える男性が道路に尻もちをついたみたいにすわってた。

無表情であった。

うしろには80代と思えるこれまた超小型女性が、車いすのハンドルを持って、これまた無表情であった。

私を呼びに来た女性たちは、通りがかっただけのようであった。

男性は、車いすから滑り落ちたかずり落ちたかで、平静でもなく困ったでもなく、私はどうなっちゃったのかどなたかご存知ですかという表情です。

ハンドルを握った女性も、えらいこっちゃ!という感じではなく、「これは私に対処できる事態ではございません」と冷静に判断されているようで、落ち着いておられました。

私が男性を車椅子に戻したらいいんだな、と理解致しました。

男性の後ろに回って、両腕の下に手を入れたとき、私を呼びにきた女性が、ボソッと「ひとりではムリですワ」と言いました。

私の体格か顔つきに、不安をお感じになったようですな。

「みんなで力を合わせんと・・・」

みんな?
まわりには誰もいません。

超小柄な80代女性3人ですよ。

私は、「だいじょうぶです」とにっこり笑って、「ふんぎゃ〜〜〜〜!」と叫んで男性を車椅子に戻しました。

「やっぱり男の人やねえ!」

感嘆の声を後にさっそうとその場を立ち去ったのであった。