C.V.ウエッジウッド著『三十年戦争』を読んでます。
1600年代前半におもにドイツを戦場として戦われた三十年戦争は、「最後の宗教戦争」と言われてます。
その結果、ドイツは無茶苦茶になったようです。
著者によれば、カトリックとプロテスタントの宗教のための戦争のふりをして始まったけど、まあ勢力争いだったんですね。
どの宗教が勝とうが負けようが、どの国王が勝とうが負けようが、ひどい目にあうのはいつも農民だと書いてます。
えらい人たちは、たいして飢えもせず自分も家族も殺されもせずペストにもやられずというんですが、う〜ん、そんなもんなんでしょうな・・・。
1630年、プロテスタントの守護神として、スエーデン国王グスタフ二世が決然と立つ。
ドイツに侵攻して、カトリック側の神聖ローマ帝国軍を相手に連戦連勝。
グスタフ二世は、「北方の獅子」と呼ばれて、プロテスタントからは神のようにあがめられ、カトリックからは悪魔のようにおそれられた。
グスタフ二世は、プロテスタントの信仰を守るために命を捨てても戦う覚悟であった。
著者によれば、リーダーの重要な資質は、「自己欺瞞能力」だそうです。
自分の利益のために戦ってるのじゃなくて、「大義」のために戦ってる私ってすごいと思い込んでしまう。
周囲の人もそう思い込んでしまって、「グスタフ二世はすごい!」と思い込んでしまう。
自他ともにすごいと思い込むとすごいことになるんですな。
破竹の勢いで連戦連勝です。
1632年、まだまだやったるで!くたばれ神聖ローマ帝国!とグスタフ二世はドイツに城を築き、門に「M.E.R」と刻ませる。
「M.E.R」とはなにか。
奥さんのイニシャルなんです。(*^_^*)
そして、2年間ほったらかしにした奥さんを呼び寄せる。
王妃マリア・エレオノアは、当時ヨーロッパ一の美人と言われたそうです。
城に到着した王妃マリア・エレオノアは、居並ぶ将兵たちの前で、グスタフ二世に近づくと、肩に手を回し、にっこり笑うと、「さあ、これであなたは私のとりこですわ」と言ったんです。(*^_^*)
イエ〜イ!
ヨーロッパの王妃様ってかっこいい。
マリアさんがどんな人か、ウイキペディアで調べてみました。
むむ・・・。
かなり困った人だったようです。
異常な「愛情」だったようです。
グスタフ二世も、「ウチの奥さんはだいぶとおかしい」と書いてるそうです。
グスタフ二世が戦死しても、遺体を埋葬もせず、ずっと手元に置いて、抱きついたりチューしたりするので、家来たちがオエッとなったそうです。
グスタフ二世は、奥さんから逃げ出したくてドイツで戦争したのかもしれない。
戦争の方がマシだったのかもしれない。
マリアさんが夫のことを「北方の獅子」と思ってなかったことはたしかであると思います。