若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

祭壇画

↓これは有名な祭壇画です。

1432年に完成した「西洋美術の至宝」と言われる作品です。
素人の私が見ても、奇跡的作品だと思います。
高さは4メートル近く、幅は5メートルちょい。

最近、この絵に関する本を三冊買いました。

一冊は、『ファン・アイク:ゲントの祭壇画』。
二冊目は、『ファン・エイク:ヘントの祭壇画』。

もう一冊は英語で、『GHENT ALTARPIECE:BY THE BROTHERS VAN EYCK』だからカタカナ問題なしですが、一冊目と二冊目はなにがちがうかというと、一冊目を書いたのはドイツ人で、二冊目がベルギー人。

それで、「アイク」と「エイク」、「ゲント」と「ヘント」になるようです。

ベルギーのゲント市かヘント市の教会にある、ファン・アイクかエイク兄弟作の祭壇画です。

教会の名前は、一冊目の本では「サン・バヴォン」、二冊目では「聖バーヴォ」です。

この絵を寄進したのは、ヘント市の当時の有力者夫妻で、夫の方の名前は一冊目の本では「ヨース・フェイト」、二冊目では「ヨドクス・フェイト」です。

そこまではいいんですが、奥さんの方の名前が、一冊目、二冊目とも「エリザベト・ボルリュト」なんです。

作者の名前から市の名前、教会の名前、夫の名前に至るまでドイツ、ベルギーで意地を張りあってきて、なぜ奥さんの名前だけ一致するのかわけわからん。

わけわからんことは他にもあります。

この、「ヨーロッパの至宝」「ヘント市の誇り」を、1816年、教会が切り売りしちゃうんです。
カネに困って。

中央部分だけ残して、左右を売ってしまった。

転売されてプロシア皇帝が買って、ベルリンの美術館の所蔵になった。

この祭壇画は、樫の板の両面に絵を描いてある。
それを、1894年、ベルリンの美術館で表と裏、二枚に切断した。
表と裏と一度に見られるようにというんですが、無茶苦茶ですね。
ベニヤ板を作るときに使うのこぎりで切り離したそうです。

祭壇画を切り売りしたり、両面に描かれたのを表と裏に切断するのは当たり前だったそうです。

キリスト教もわけわからんです。