謹賀新年。
昼前、電話が鳴りました。
家内の従兄弟からであった。
あけましておめでとう、今年もよろしく、という穏やかな電話ではなかった。
ウチから出した年賀状に文句をつけてきたのであった。
この数年、年賀状には私が描いた油絵を使ってます。
今年は、これです。
この、家内の絵が、いくらなんでも若すぎるというんです。
元旦早々クレームの電話であった。
誤解です。
絵のタイトルは、「真珠の首飾り」と書いてあります。
「妻の肖像」じゃないんです。
美術予備校で、真珠の描き方を習ったんで、真珠を描いてみたくなったんです。
で、真珠の首飾りをつけた家内を写真にとって描いたんです。
あくまでも、真珠の首飾りがメインです。
描き始めて、「ちょっと若すぎるかな」とは思ったんです。
しかし、主役は真珠のネックレス、顔にこだわることはない、と思って描き進めました。
家内も、「このセンでいいんじゃないの」といいました。
で、描き進めながら写真を見ると、やっぱりちがう。
で、ホンモノに近づけました。
すると、家内がそれを見て、「どうなってるの!似てきたじゃないの!」と叱責するんです。
「真珠が主役といったでしょ。絵というのは、主役が一つ、あとはわき役として主役を引き立てるのよ。強調すべきところは強調して、省略するところは省略する。そうやって画面を秩序ある小宇宙として構築するのが芸術でしょう。シワの一つ一つまで描けばいいというもんじゃないのよ」
なるほど、いいこというなあ。
家内の指導に従って仕上げたのがこれです。
何事も家内の言うとおりにしてたらまちがいありません。
今年も素直な私でありたいと思います。