「サザエさん」に描かれた時代を振り返ろうという企画ですかね。
今日取り上げられた「サザエさん」の漫画は衝撃的です。
一コマ目。
荷車を引く馬の横を波平さんが歩いてる。
呑気な光景である。
二コマ目。
突如、馬が「ドサリ」と倒れる。
三コマ目。
波平さんが倒れた馬に水をかけてやる。
1952年の漫画「サザエさん」です。
すごいですね。
荷物を運んでる途中、馬が突然倒れる。
自動車のエンストみたいなもん、ではないです。
馬が倒れる。
マンガの横に写真が出てる。
たぶん、新聞写真です。
広い通りで、荷車を引く馬が倒れてる。
馬を引いてた人が心配そうにのぞきこんでる。
道行く人が、それを見ている。
空襲のがれきが見えます。
1946年6月の写真です。
私が生まれた6月です。
すごい写真だと思いますが、マンガでは波平さんが驚きもせず、倒れた馬に水をかけてやってるのだから、すごいことではなかったんでしょうか。
馬が突然倒れるのはふつうじゃないと思うんですが。
子供のころ、荷車を引く馬は、見た記憶があります。
道路に、馬糞や牛糞が落ちてたのははっきりおぼえてます。
戦後しばらくは、人間でも腹いっぱい食えなかったようですから、馬も空腹で倒れたのかな。
馬が広い通りで倒れてる写真を見ると、敗戦日本、よくここまできたもんだと思います。
馬車馬のように働いて、といいますが、倒れた馬車馬にはしみじみしました。