我が家の喪中はがきは出しましたが、喪中はがきはまだ届きます。
今日は4通。
103歳、91歳、まあ、トシに不足はないと思うけど、ご本人にすれば不足かもしれない。
おお!
75歳!
家内の知り合いKさんが75歳で亡くなったと、奥さんからのはがきです。
驚きました。
去年の11月、私の個展に来ていただいて、いろいろ話したとこですよ。
お元気そうに見えましたが、4月に亡くなってます。
その前の個展にも来ていただきました。
いやあ、わからんもんですね。
Kさんのご冥福をお祈りしました。
Kさんは、大手銀行の幹部として活躍された方だそうですが、どこから見ても温厚、誠実という感じの方でした。
個展の会場でにこにこと、「私、絵はわからないんですが、好きなんですよ」と言われました。
このパターン、多いです。
私が絵を描くという話をすると、「私、絵は好きなんです。絵のことはわからないんですけど、好きなんです」という人が多い。
私は、「あなたの言う、絵がわかるとはどういうことですか」なんて、馬鹿な質問はしません。
そういうパターンがあるということです。
聞き流します。
しかし、Kさんの、「絵が好き」は、本格的でした。
美術館めぐりが好きで、東京に行ったら、美術館のはしごをするというんです。
去年は、千葉の川村美術館にも行ったそうです。
すごいですね。
川村美術館と言えば、アメリカを代表する抽象画家、マーク・ロスコのコレクションで有名です。
マーク・ロスコは、わかりにくい画家の筆頭ですよ。
大画面に、絵具がザーッと塗ってあるだけ。
非常にわかりにくいと思います。
Kさんに聞きました。
「マーク・ロスコ、どうでしたか」
「いやあ・・・どこがいいのわからんので、美術館の人に聞いたんですよ。この絵、どこがいいんですかって。そしたら、自分で感じるままでいいですって。よくわからんですわ」
苦笑いを浮かべるKさんの顔が浮かびます。
Kさんのことをいろいろ思い出して、家内と話してたんですが、なんかおかしい。
話が合わない。
私が、「Kさんて、銀行の幹部やった人やろ」と言ったら、「それはAさん!」
そ、そうやったんか。
絵が好きなAさんはご健在です。
お二人とも、失礼しました。(-_-;)