若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

最後のご奉公

きのうは自治会の班長会。
班長は一年交代で順番に回ってきます。
高齢一人暮らし、足腰が不自由などを理由に辞退する方が増えてます。
ゴルフには張り切っていくけど班長はムリという人もある。
かと思うと、班長会の会場の公民館まで歩くのがちょっとしんどいんじゃないかと思える方が、杖をついてはりきって登場ということもある。
いろいろある。
一昨年は、班長会出席のため、よそに住んでる息子さんが車で送迎という、重役待遇の班長さんもいました。

今年の注目は、Aさん、80代半ばの小柄な男性でした。(後記:実は96歳でした!)
去年、国勢調査で初めてお目にかかりました。
Aさん宅を訪問したとき、植木屋さんが入ってた。
植木屋さんに来意を告げると、木の向こうにいたAさんに声をかけてくれた。
私からは見えなかったんです。
自治会の人が来てはりますよ」
「ああ、その枝も切ってください」
耳が遠いようです。植木屋さんは声を張り上げました。
自治会の人が来てはりますよ!」
Aさんも負けじと声を張り上げた。
「その枝は切ってよろしい!」
耳が遠くて気が短いみたい。
国勢調査について話をしたんですが、国勢調査なんかしたことがないとかふだんはここに住んでないとか、要領を得なかった。
私が担当した60世帯の中で、調査票が無事回収できるかどうか心配だったのはAさんだけです。
無事回収できてほっとしました。
去年の班長会で、Aさんの班の班長さんと話をしてたら、来年はAさんが班長だけどたぶん辞退されると思います、とのことでした。
だから、今年の最初の班長会にAさんが現れたときは意外でしたし、うれしくもあった。
会が終わってからAさんに声をかけました。
班長、ごくろうさまです。一年間よろしくお願いします」
「最後のご奉公だと思ってがんばります」
ぴかぴかアタマ、大きなオーバーに身を包んだ小柄なAさんの後姿をしみじみと見送ったのであった。
ところが、きのうAさんは現れなかった。かわりに、近所に住むお嫁さんが出席。
前回出席したけど、話がぜんぜん聞こえなかったんだそうです。代理で出席しますとのことであった。
ウチの自治会は、今、60代が一番多い。10年後には、70代が一番多くなる。20年後には80代、30年後には90代、40年後には100代。
計算上そうなる。間違いなくそうなる。
私にも、最後のご奉公の時が来る。
いや、今が最後かな。