絵の値段なんか、あってないようなもんです。
絵に限らず、「値段」は不思議なもんです。
仕事をしてる時も、そう思いました。
「正当な価格」なんかあるんですかね。
たぶん、「価格」というのが不思議なものなんだと思います。
美術予備校社会人クラスでいっしょの女性Aさんの初個展に行ってきました。
私よりちょっと年上ですかね。
私よりちょっと後輩ですが、週3度は通う熱心な人です。
私みたいに、ほとんど出来上がった絵を先生に見てもらうのじゃなく、描きはじめから先生に相談してます。
だから、私みたいに、「構図がちょっとまずかったですねえ」といわれることはない。
描き進めるつど先生に相談しながら手堅く仕上げてます。
まじめな絵です。
先生の指導は手抜きはないから、Aさんの絵も手抜きなし。
アマチュアの絵として充実してると思います。
個展会場には、力作がならんでましたが、「?」と思ったのは、絵の飾りつけの高さです。
ちょっと高すぎると思いました。
次に、絵の値段です。
考えてみると、私は「完全素人」の個展を見るのは初めてです。
完全素人の絵の値段とは?
Aさんの絵の値段は不思議だと思いました。
ふつう大きさで決めると思うんですが、Aさんは、ある6号の絵には9万円、別の6号には9万3千円とつけてた。
この差は何か。
10号の絵には、12万8千4百円。
この端数は何か。
ナゾであった。
会場で、Aさんの知り合いらしい男性が、絵を見ながら紙にメモしてました。
そして、メモし終わると、私にその紙とペンを渡そうとするんです。
にこにこしながら、「私は、こう決めたんですが、あなたもどうぞ」
え!?
ひょっとして注文書?
ちがいました。
「あなたが選ぶベストスリー」でした。
安心しました。
私の個展では、値段はつけてませんのでご安心ください。