美術に関する本を読んでると、昔々の巨匠というのは、画家じゃないですね。
いや、画家だけど、「広告宣伝会社の経営者」という感じです。
クライアントの要望に基づいて、自社のスタッフや下請け会社を使って制作する。
そういう巨匠たちから見ると、孫の絵を描いて一人で喜んでる私なんか理解に苦しむ存在でしょう。
「何をやっとるんだ」
昔の巨匠の絵は美術作品じゃなかった。
私の絵も美術作品ではない。
ゆえに、私は昔の巨匠みたいなもんである、とは言えないかな。
美術の教科書に出てくる有名な絵で、ジェリコーの『メデュース号の筏』というのがあります。
19世紀初めのフランス海軍のスキャンダラスな遭難事件を題材にした絵で、事件直後に発表されてパリで大評判になった。
その絵をイギリスの興行師がロンドンに持って行って見世物にして大儲けした。
今なら、「全米大ヒット!本年度興行収入ナンバーワン!ハリウッド超大作!」という感じでしょうか。
評判になった絵は、何枚も作った。
版画にして大々的に売ることもあった。
18世紀19世紀の版画は、写真みたいなもんだったんですね。
「巨匠の傑作がお手軽にあなたのものになります」
版画家は、評判の絵を借りてきて、精密な版画にして売り出す。
精密な版画にするために、絵を何年も借りっぱなしということもあったようです。
絵も版画も、今とはだいぶ違いますね。
↓今の絵。
なんかおかしいと思ってたんですが、目の位置がちょっと高すぎた。
大人っぽく見えます。
二、三年後のはなちゃんという感じです。
同じ写真をもとに描いてるので、服の色を変えて、リボンをつけてみました。