ヘンな映画を見てみようシリーズ第三弾。
『東京おにぎり娘』『ラーメン大使』に続き、『初春狸御殿』に挑戦!
昭和34年大映映画です。
若尾文子、市川雷蔵、勝新太郎、中村玉緒、中村雁治郎、菅井一郎、左卜全、水谷良重ほか、当時の売れっ子たちが出演のお正月映画です。
「唄おう!踊ろう!狸御殿に春が来る!」
まあ、なんちゅうか、一言でわかりやすく言えば、ミュージカル映画ですかね。
いや、ちがうな。
いちおう、歌と踊りがあるんです。
若尾文子も市川雷蔵も中村雁治郎も歌って踊るんです。
「宝塚少女歌劇」と「吉本新喜劇」を足して二で割った、というのともちがう。
まず、「宝塚少女歌劇」を水で薄める。
徹底的に薄めて何が何だかわからないくらいに薄める。
次に、「吉本新喜劇」を水で薄める。
徹底的に薄めて何が何だかわからないくらいに薄める。
この二つを、底に穴の開いたタライに入れてかき混ぜる。
かき混ぜてるうちにもれてしまって全部なくなったというような映画だといえばおわかりいただけるでしょうか。
こういうのを作っただけですごいと思うけど、これを劇場で上演したというのもすごいし、お正月にカネをとって見せたというのもすごいし、お正月にカネを払って見に行ったというのもすごい。
当時の日本人、カネもヒマもあったんですなあ。
今の私、カネもヒマもありますなあ。