『フェルメールとその周辺』という本を読み始めました。
フェルメールは、大変人気があるけど、どういう人だったかよくわからない画家です。
この本は、新しく発見された資料を基に書いてあるんですが、フェルメール本人については、「新発見」はないようです。
おじいちゃんやおばあちゃんや、その他親戚について新発見があった。
「公証人」が作成した書類がたくさん見つかったそうです。
大変な作業だったと思います。
日本でいえば、江戸時代の初めです。
そのころの庶民の記録を探し出すというのは、気の遠くなるような話です。
フェルメール関係の書類の調査には、学者やアマチュアの人たちの、長年にわたる地道な努力があったようです。
こうして明らかになった公証人の記録からわかることは、おじいちゃんもおばあちゃんも犯罪者だということです。
二人とも金に困って、危ない橋を渡らざるを得なかったようです。
カタギじゃない。
おじいちゃん(フェルメールの母の父)は、贋金作りで告発されて、逃亡してます。
おじいちゃんの息子(フェルメールのお母さんの弟、叔父さん)も一枚かんでて、刑務所に入ってます。
二人は、贋金作りの実行犯で、まあ下っ端ですね。
主犯格の大物二人は死刑になってます。
おばあちゃん(フェルメールの父の母)のほうは、詐欺師です。
告発状によれば、おばあちゃんは、「良心のかけらもない、裁判沙汰などへっちゃらで、偽証なんか朝飯前」というとんでもない女だったようです。
おばあちゃんに金をだまし取られた人が、裁判に訴えようとするんですが、お役人から、「やめときなさい。相手が悪い。裁判しても無駄。」と忠告されてるんです。
どんな女じゃ。
フェルメール一族は、画家の祖父母の代は、やばい、ややこしい人が多かったみたいです。
著者は、フェルメールも、おじいちゃんおばあちゃんのことは聞いて知っていただろうと書いてます。
ヨーロッパの画家の話を読んでると、「公証人」というのがよく出てきます。
遺産目録を作るというのが多いですが、いろんな「記録」を公のものとして残す仕事だったんでしょうか。
どんな職業なのか、想像しにくいです。
英語では、「notary」というそうです。
ノータリンじゃないですよ。
ノータリーです。
当時としては、かなり知的な職業だから、ノータリンにはできません。