『フェルメールの帽子』という本を読みました。
表紙はフェルメールの絵で、若い女性と大きな帽子をかぶった男性が描いてあります。
フェルメールの絵の中の帽子から、何かを語る本だと思いました。
読んだんですが、フェルメールの帽子はちょこっと出てくるだけでした。
この本の題は、『17世紀世界経済におけるオランダの位置』が正しいと思いました。
そういう題名だったら私は買ってません。
著者は、カナダの中国史の学者です。
著者にとっては、いい題名なのだろうと思います。
手品師が帽子から鳩を取り出すように、著者は、フェルメールの絵の中の帽子から17世紀の世界経済を取り出して見せた、と思ってると思う。
鳩は誰にでも見えるけど、17世紀世界経済は、そう簡単には見えない。
なかなか意欲的な本で、勉強になりましたが、『フェルメールの帽子』という題名が私にとっては強力すぎて、著者はだます気がないのになんだかだまされたみたいな気になるのが惜しいです。