17世紀オランダ絵画について書かれた本を読んでます。
当時のオランダでは、市民階級が大変に栄えて、その豊かな暮らしぶりを伝える絵が多いです。
フェルメールなんかが有名ですね。
フェルメールの『デルフトの眺望』は、川沿いの街並みを描いた静かな絵です。
が、この本を読むと、当時のこういう絵から、においを感じ取らなければいけないみたいです。
くさかったそうです。
当時のオランダはくさかった、と書いてある。
川や運河はよどんでくさかった。
ただでさえくさいのに、川や運河がゴミ捨て場みたいになっていた。
ゴミ捨て禁止令が何度も出されたが無駄だった。
魚のはらわた牛や豚の死骸が浮かんでた。
夏は、たまらんほどくさかった。
高校で習った句を思い出します。
「市中はもののにほひや夏の月
あつしあつしと門かどの声」
江戸もアムステルダムもくさかった。
フェルメールが『デルフトの眺望』を鼻をつまんで描いたかどうか知らんけど、まあ、なんかにおいはしたんじゃないでしょうか。
この本に、立派な教会の内部を描いた絵があります。
堂々たる大教会です。
当時の有力者は、教会の建物の内部に埋葬されたそうです。
教会のなかで墓を掘ってるところが描かれてます。
床をはがしてるんです。
これがまたくさかったみたい。
この絵を見て、湿ったいや〜なにおいを感じ取らなければならない。
なんと、教会のなかで、犬が柱におしっこをしてますよ。
なんで、教会のなかで犬がおしっこしてる絵を描いたんでしょうか。
ナゾである。
フェルメールもルーベンスもレンブラントもくさいとこで絵を描いてたんですね。
で、香料が必需品だったようです。
においのもとから断つんじゃなくて、香りでごまかす。
金持ちはリュウゼンコウやジャコウでごまかし、貧乏人はハーブでごまかしたそうです。
このころのオランダ絵画って結構好きだったんですが、この本を読んで好感度減少です。