朝日新聞朝刊読書欄。
『風の演劇:評伝別役実』という本の書評が出てました。
評を書いたのはノンフィクション作家の保坂正康さん。
見出しが、「デラシネから生まれた不条理劇」というんですが、「デラシネ」って何だったかとしばし考えました。
たしか、「根無し草」という意味だったと思ったんですが自信なし。
文中で説明があるだろうと読んだけどありませんでした。
保坂さんは、「著者は(別役)氏のデラシネを軸に据えて記述を進める」と書いてるだけでした。
で、ネットで調べたら、「デラシネ」は「根無し草」のことだと書いてありました。
よくあるパターンだと思いました。
保坂さんにとっては「デラシネ」というのはあまりにも使い慣れ読み慣れたおなじみの言葉で説明するまでもないんですね。
一般読者のために、そういうのをチェックするのが朝日新聞の役割だと思うんですが、朝日の担当者にとっても「デラシネ」はおなじみの言葉だったんでしょう。
「業界」の人は気を付けてもらいたいもんです。
で、「根無し草」ってなにかと気になりました。
根のない草なんてあるんか?
「草の三要素は、根、茎、葉だ!」と言いたいけど、私がりきんでもしかたない。
で、ネットで調べたら、「根無し草」は「浮き草」のことだそうです。
根はあるけど地についてない。
「根無し草」ではないんです。
ということは、「デラシネ」というのは「浮き草」だということになる。
いずれにせよ、あまりいい雰囲気の言葉じゃないですね。
「根無し草」とか「浮き草」とか言われていい気はしないと思う。
草にすれば大きなお世話ですよ。
「デラシネ」というと、かっこいい感じがするから使うんでしょうね。
こういう使われ方をする言葉ってハラ立ちます。
「デラシネ」に恨みはないけどハラ立つ。
最近では、「喫緊」かな。
「キッキン」に恨みはないけどハラ立つ。
「キッキン」てなんやねん!?と思ってしまう。
耳障りです。
辞書で調べる気もしません。
トシのせいだと思います。