自治会のドン83歳のAさんが私の顔を見るなり、「あんた、散髪行ったか?」と聞いてきた。
私と同じ町内の散髪屋なんです。
Aさんは、髪の毛は多くないというよりかなり少ない。
完全ツルピカじゃないという程度です。
髪の毛は非常に少ないのにというか髪の毛が非常に少ないからというべきか、髪の毛には気を使ってます。
5年前私が自治会長の時の町内バス旅行の前、散髪屋の主人が腰痛で店を閉めてた。
Aさんは「バス旅行に行くのに散髪しないわけにはいかんじゃろ!」と腰痛の主人を無理やり引きずり出して散髪させたんです。
その話を聞いた人は全員、「散髪してもしなくてもいっしょ!」という判定でした。
そのAさんが散髪の話を始めた。
先日私が行った時「顔そりは自粛してます」とのことで料金は200円引きだった。
そんなもんかなと思ってたんですが、Aさんは「けしからん!」と怒るんです。
話を聞くとAさんが怒るのも無理はない。
「ワシ、毛ぇなんかあれへがな!顔そりに行ってるみたいなもんやで。それで顔そりなしで200円引きはないやろ!1000円は引いてくれんとあかんやろ!」
た、たしかに。
200円引きと言われてツルピカ頭から湯気を立ててるAさんが目に浮かぶのであった。