若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

今とちがって昔は

イギリス馬場馬術の金メダリスト、カール・ヘスターの「自伝」を読んでます。

4歳からサーク島で暮らした。

サーク島はイギリス王室属領ガーンジー代官管轄区に属する島でエリザベス1世から領主が自治権を認められ独自の憲法を持ち40人の地主が統治する封建制の島であった、と言われてもも何のことかわかりません。

ふ~ん、国によっていろいろあるんだなあという感じ。

国によっていろいろではダメ!ヨーロッパはひとつ!というのがECなんで、EC人権委員会がサーク島の封建制もダメと言ってきた。

いや、ウチはこれで機嫌よくやってますからほっといてくださいと抵抗してきたけど、2008年、しぶしぶ民主的選挙制度を取り入れたそうです。

この島は自動車禁止で、領主(?)の奥様が足が悪いので電動バギーに乗ることを許されてるのと農業用トラクターは許されてる。

奥様が電動バギーでお通りになるときはカール達小学生は直立不動、「まるで女王陛下のお通りみたいだった」。

小学校には小型馬に乗って通ってくる子もいてカールも時々乗せてもらった。

ある日駆け足をしてたら馬がどんどんスピードアップしてとまらなくなって放り出された。

「今とちがって昔はヘルメットもなし安全ベストもなしでたいへんに危険だった。良い子のみなさんは絶対にまねをしないでください」

この時カール少年は非常な快感を味わったそうで、金メダルへの予感ですね。

18歳でイギリス本土の馬の調教牧場に就職するんですが、「面接の時、今とちがって給料など条件は確認もしなかった。当時『給料はいくらですか』などと聞いたらまずアウトだった」

犬の散歩について書いてます。

「この犬は噛むとわかっていたので気を付けた。今とちがって昔は犬を散歩させるとき口かごなんか必要なかった」

50歳のカール・へスターが「昔は・・・」を連発です。

イギリスも激しく変化してるんですね。

 

本を読む楽しみは「別世界」に触れられることですが、別世界サーク島も楽しいし、別世界「イギリス馬術界」も楽しそうです。

この本でしか知りませんが、イギリス馬術界というのはいろいろカネ儲けができるみたい。

カールが就職した「調教牧場」の女主人は「猛女」です。

西部劇に出てくるみたいな、無茶苦茶ガラの悪いおばはんです。

イギリスにもこんなガラの悪いおばはんいるのかなとびっくりします。

この人は、安く買った馬を調教して高く売る。

たとえば、ジャンプ能力はすごいけど人が乗ったら必ず振り落として何人もの人に大けがさせてるような馬を買ってくる。

それを競技用の馬に調教する。

50万円で仕入れた馬が500万円で売れたり1000万円で売れたりする。

 

カール少年が地方の馬術大会で優勝した時、熟年女性が近寄ってきた。

「キミには神様が与えてくれた才能がある。その才能を生かせる舞台を探さないとね」

スカウトです。

才能ある若者をスカウトしてメジャーデビューさせて儲けるんだと思います。

 

20歳のカールは猛女にこき使われて馬糞掃除なんかしてますが、そのうちガッポリ儲けてくれるはず。

楽しみです。