奈良市の高齢者検診に行こうと思って用紙を探したら封筒が二通出てきました。
ふつうの高齢者検診と後期高齢者検診。
どっちを持って行けばいいのかわからないので両方持って行った。
かかりつけのM医院で看護婦さんが両方いりますと言った。
ふ~ん、と言うほかないけど看護婦さんにふ~んと言ったわけではありません。
私の前のソファには90歳前後と思える女性と付き添いのお嫁さん。
孫の話をしてました。
「ふうちゃんは元気にしてるの?」
「試験勉強してますわ」
「まだ試験?」
「国家試験があるんです」
「誰でも通るんやろ」
「落ちる人もいるんですよ」
「ふうちゃんやったらだいじょうぶ」
「だといいんですけどね」
「・・・あののんきなふうちゃんがお医者さんとはなあ・・・」
「うふ。試験通ったらね」
「通る通る。ふうちゃんはええお医者さんになるわ」
目をほそめるおばあちゃんがふと我に返ったようにぼそっと言った。
「ああ、マスク忘れたわ」
ほんまや。
おばあちゃん、マスクしてない。
お嫁さんがあわててバッグを探って「あら~、今日に限って・・・いつも予備持ってるんですけどね・・・ないわ~・・・あら~・・・今日に限って・・・」
おばちゃんはあわてず騒がず「まあええやろ、病院やから」
そうですよね。
病院ですからね。
いいと思いますよ。