消えゆく言葉代表というか総代というか、「おいど」なんかどうでしょう。
「お尻」です。
子供のころにはすでに消えかかってたと思います。
たぶん使ったことないしほとんど聞いたこともないので、小川さんのおばちゃんが使ったのが印象に残ってるのだと思います。
近くの川の橋に沿って水道の鉄管が通ってた。
またがるとひんやりとして気持ちいい。
で、三人でまたがってたら通りかかった小川さんのおばちゃんが、「あんたら、そんなとこにすわってたらおいど冷えまっせ」と言ったんです。
私の一つ下の正雄ちゃんのお母さんだから若かったと思います。
聞いた記憶があるのはその時だけで、70年たってもはっきり浮かぶ情景です。
よほど「おいど」にインパクトがあったんですね。
小川さんと言えば。
それからしばらくして正雄ちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんが鳥取から出てきていっしょに暮らすようになった。
夏、小川さんのおじいちゃんが越中ふんどし一つで朝顔に水をやる姿は衝撃的であった。
私の越中ふんどし初体験。
「おいど」と「越中ふんどし」が取り持つ不思議な縁で今もなお小川さん一家が色鮮やかによみがえる。