若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

広告宣伝

『意味への逃避』という本を読んでます。

ユーチューブで美術番組を見てたら若い男が現れてこの本の宣伝をした。

英語の番組だったので何を言ってるのか全然わからなかったけど読めばわかると思って買ったんですが美術の本じゃなかった。

 

だまされたわけじゃないけどだまされたみたいな気がしました。

著者はアメリカの名門ボストン大学出の秀才です。

いろんなことについて書いたエッセイ集です。

 

アメリカの教育はまちがってると言ってます。

 

よい成績を取るのは一夜漬けで簡単だった。

親は喜んでくれたけどぜんぜんうれしくなかった。

学ぶ喜びが感じられない教育はまちがってる。

どうすればいいかはわからないけど何かちがうやり方があるはずだ。

 

著者はスーパーマンの大ファンで今も熱中してる。

連載開始以来数十年、いろんな作者が作り出した無数の物語がある。

「一番面白いスーパーマンは何か」というのがよく話題になる。

著者は「12歳のときに読んだのが最高」という意見に賛成。

 

子供のころは無敵のスーパーマンが敵をやっつけるのが面白かったけど大きくなるにつれてそれでは物足らなくなる。

作者のほうでもそう思うみたいで「無敵じゃないスーパーマン」が登場する。

力が三分の一のスーパーマンとか。

これはこれで面白くないそうです。

 

で、著者はスーパーマンの内面に光を当てたらどうかと思う。

両親との関係とか、ガールフレンドや友達に関する悩みとかを取り上げたら深みが出るんじゃないか。

そう思ってたら最近そういうスーパーマンシリーズがテレビで始まった。

始まったとこだけど期待できると書いてます。

 

ジェリー・サインフェルドというアメリカのコメディアンについて書いてます。

この人は自分を主人公にしたテレビドラマを作って大当たりした。

1989年から1998年にかけて放映されて、最終回までの6年間連続全米視聴率第一位というアメリカテレビ史上に残る番組だそうです。

 

そのジェリー・サインフェルドが2014年に「アメリカラジオテレビコマーシャル賞」というのをもらった。

「広告宣伝の限界を押し広げ、長年にわたり業界に貢献した功績は大である」ということだそうです。

 

広告宣伝業界の人たちを前にした授賞式でのあいさつを紹介してます。

 

「私は広告宣伝が大好きです。ウソをつくのが大好きだからです。広告宣伝の世界ではなんでもありのやりたい放題です。私はコマーシャルにつられて買った商品が宣伝通りでなくても気にしません。コマーシャルを見てから商品を手にするまでの間ハッピーだからです。そこが大事。商品がくそだということはみんな知ってます。それでもコマーシャルを見てから買うまでの間はハッピー。皆さんが広告宣伝に命をかけるのは素晴らしいことです。無知な大衆が汗水たらして稼いだなけなしの金を、ガラクタ同然の商品やろくでもないサービスに使うのをけしかける。これほどやりがいのある仕事はありません」

 

万雷の拍手だったそうです。

なんともよう言わんわ。